試験概要
基本情報技術者試験(略称:FE)は、日本の情報処理技術者試験の中で、ITエンジニアとしての基本的な知識と技能を評価するための国家資格試験です。この試験は、ITに関する基本的な知識から、プログラミング、ネットワーク、データベース、セキュリティなどの技術的なスキルを問います。
- 試験形式: コンピュータベーストテスティング(CBT)
- 試験時間: 午前試験(150分)、午後試験(150分)
- 出題数: 午前試験:80問(選択問題)、午後試験:5問(大問形式、選択解答)
- 合格基準: 各試験区分で60%以上の得点
- 受験料: 7,500円(税込)
試験範囲
基本情報技術者試験の試験範囲は、以下のように午前試験と午後試験で異なります。それぞれの分野について、詳細を説明します。
午前試験
午前試験では、広範なIT分野に関する基礎知識が問われます。具体的な内容は以下の通りです。
- テクノロジ系:
- 基礎理論、アルゴリズムとデータ構造、コンピュータシステム、ハードウェア、ソフトウェア、オペレーティングシステム、ネットワーク、データベース、セキュリティ
- マネジメント系:
- システム開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査
- ストラテジ系:
- 企業活動、経営戦略、技術戦略、ソリューションビジネス、システム戦略、経営戦略手法、法務
午後試験
午後試験では、より実践的な問題が出題されます。具体的な内容は以下の通りです。
- プログラム設計・開発:
- プログラミング、アルゴリズム、システム設計
- システム構築・運用:
- データベース、ネットワーク、セキュリティ
- プロジェクトマネジメント:
- プロジェクトの計画・実行・監視・終了
- サービスマネジメント:
- ITサービスの提供と管理
- システム監査:
- システム監査の基本的な考え方、手法
想定問題
以下に、基本情報技術者試験で出題される想定問題をいくつか紹介します。
午前試験の問題
問題1: TCP/IPモデルにおいて、アプリケーション層に該当するプロトコルはどれか?
- a) HTTP
- b) IP
- c) Ethernet
- d) TCP
解答: a) HTTP
問題2: データベースの正規化において、冗長性を排除するために行われる第3正規形(3NF)の条件はどれか?
- a) 属性が原子値であること
- b) 主キーが一意に決まること
- c) 非キー属性が主キーに関して関数従属性を持つこと
- d) 非キー属性が他の非キー属性に関して関数従属性を持たないこと
解答: d) 非キー属性が他の非キー属性に関して関数従属性を持たないこと
午後試験の問題
問題3: 以下のプログラムの出力結果を選択せよ。
#include <stdio.h>
void swap(int *a, int *b) {
int temp = *a;
*a = *b;
*b = temp;
}
int main() {
int x = 5, y = 10;
swap(&x, &y);
printf("%d %d\n", x, y);
return 0;
}
- a) 5 10
- b) 10 5
- c) 0 0
- d) コンパイルエラー
解答: b) 10 5
問題4: プロジェクトマネジメントにおいて、クリティカルパスの重要性を説明せよ。
解答例: クリティカルパスとは、プロジェクトのスケジュール上、最も時間がかかる経路のことを指します。この経路上のタスクが遅延すると、プロジェクト全体の完了が遅れるため、クリティカルパスの管理は非常に重要です。プロジェクトマネージャは、クリティカルパス上のタスクに重点を置き、進捗を綿密に監視し、リソースを適切に配分することで、プロジェクトの遅延を防ぐ必要があります。
勉強方法
基本情報技術者試験に合格するためには、以下のような勉強方法を実践すると効果的です。
- 公式テキストを読む:
- 試験範囲を網羅した公式テキストを読むことは、基礎知識の習得に最適です。特にIPA(情報処理推進機構)が提供する教材は信頼性が高いです。
- 過去問を解く:
- 過去問を解くことで、試験の形式や出題傾向を把握できます。問題集やオンラインの過去問サイトを活用しましょう。
- 模擬試験を受ける:
- 模擬試験を受けることで、本番の試験に慣れることができます。時間配分の練習にもなります。
- オンラインリソースを活用する:
- インターネット上には多くの無料学習リソースがあります。動画講座、オンラインクイズ、フォーラムなどを活用して知識を補強しましょう。
- プログラミングの練習:
- プログラミングの問題は午後試験で頻出です。普段からコーディングの練習をし、アルゴリズムやデータ構造の理解を深めましょう。
- 勉強計画を立てる:
- 合格に向けた計画的な勉強が重要です。日々の学習時間を確保し、試験範囲をバランスよくカバーするようにしましょう。
受験の流れ
- 試験申込:
- 情報処理推進機構(IPA)のウェブサイトから申込を行います。申込期間や手続きに注意しましょう。
- 試験日程の調整:
- 試験会場と日程を選択します。会場によっては希望日程が埋まることもあるので、早めの予約が推奨されます。
- 試験当日:
- 試験当日は指定された会場で試験を受けます。CBT形式のため、パソコンで回答します。試験開始時間の30分前には会場に到着するようにしましょう。
- 合否通知:
- 試験終了後、即座に合否が通知されます。結果は画面に表示されるほか、後日郵送でも通知されます。
情報のソース
基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基本的なスキルを確認するための重要なステップです。しっかりとした準備を行い、試験に挑戦してください。合格を目指して、頑張りましょう。
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