JavaのCollection APIは、データを効率的に管理し操作するための一連のインターフェイスとクラスを提供します。このAPIは、Javaの java.util
パッケージに含まれており、リスト、セット、キュー、マップなどのデータ構造を扱います。ここでは、主要なインターフェイスとそれらを実装するクラスについて概説します。
主要なコレクションインターフェイス
- Collection
- すべてのコレクションフレームワークの根底にある基本インターフェイスです。
List
やSet
などの他のコレクションインターフェイスのスーパーインターフェイスとして機能します。
- すべてのコレクションフレームワークの根底にある基本インターフェイスです。
- List
- 順序付けられたコレクションを表します。リストの各要素はリスト内の特定の位置に挿入されます。同じ要素の複数のインスタンスを含むことができます。
- 主な実装クラス:
ArrayList
,LinkedList
,Vector
,Stack
- Set
- 一意の要素のコレクションを表し、重複する要素は許されません。
- 主な実装クラス:
HashSet
,LinkedHashSet
,TreeSet
- Queue
- 要素が先入れ先出し(FIFO)またはその他の順序で処理されるコレクションです。キューは、処理待ちのデータ群を管理するのに適しています。
- 主な実装クラス:
LinkedList
,PriorityQueue
,ArrayDeque
- Deque
- 両端キューを表し、両端から要素の挿入と削除が可能です。
- 主な実装クラス:
ArrayDeque
,LinkedList
- Map
- キーと値のペアのコレクションです。各キーはマップ内で一意であり、一つのキーに対して一つの値がマッピングされます。
- 主な実装クラス:
HashMap
,TreeMap
,LinkedHashMap
,Hashtable
コレクションAPIの特徴
- 汎用性: 様々なタイプのデータ構造を提供し、多様なニーズに応じて選択できます。
- 強力な標準操作: ソート、順序付け、検索、フィルタリングなど、データに対する共通の操作をサポートしています。
- 拡張性: 独自のコレクションクラスやインターフェイスを簡単に作成し、既存のものに統合することができます。
- パフォーマンス: 高度に最適化されたコレクションライブラリは、大量のデータ操作でも高速に動作します。
使用例
import java.util.*;
public class CollectionExample {
public static void main(String[] args) {
// リストの作成と操作
List<String> list = new ArrayList<>();
list.add("Apple");
list.add("Banana");
list.add("Cherry");
System.out.println("List: " + list);
// セットの作成と操作
Set<Integer> set = new HashSet<>();
set.add(1);
set.add(2);
set.add(2);
System.out.println("Set: " + set);
// マップの作成と操作
Map<String, Integer> map = new HashMap<>();
map.put("Key1", 100);
map.put("Key2", 200);
System.out.println("Map Value for Key1: " + map.get("Key1"));
}
}
このようにJavaのCollection APIは、データを扱う上で非常に強力で柔軟なツールを提供し、プログラムの効率と機能性を大幅に向上させます。
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