Webの基盤技術であるHTMLとCSSは、W3C(World Wide Web Consortium)によって策定される公開仕様に基づいて進化を遂げています。本記事では、最新のHTML/CSSの仕様の変更点や追加機能について、過去からの進化をフォローアップしていきます。
HTML5
2014年10月に勧告された「HTML5」は、HTMLの最新の主要バージョンです。主な新機能は以下の通りです。
新しい構造化要素
Webページの構造をセマンティックに表現するための新しい要素が追加されました。<header>
<nav>
<article>
<section>
<aside>
<footer>
など。
描画領域・マルチメディア
<canvas>
要素によるスクリプト描画や、<video>
<audio>
要素によるメディア埋め込み機能が追加されました。
フォームの機能拡張
カレンダーコントロール、スライダー、プレースホルダーなどのフォーム機能が追加されました。
Web API
オフラインWebアプリケーション、ドラッグ&ドロップ、ジオロケーションAPIなど、多くのWeb APIが規定されました。
その他
アクセシビリティ機能の強化、<main>
要素の追加、グローバル属性の追加など。
HTML Living Standard
HTMLの最新の編集者草案は「HTML Living Standard」と呼ばれています。ここでは最新の提案事項をフォローアップします。
- モジュール化されたHTML仕様
<dialog>
要素やダイアログ状態の追加<textarea>
の改善(textarea属性、改行の制御)<input>
要素の改善(新しい型、UIの変更)<link>
、<ol>
、<marquee>
など既存要素の改善- Web Componentに関する仕様の追加
CSS3
CSS3は細かいモジュールに分割された形で策定が進められています。
レイアウトモジュール
フレックスボックスレイアウト、グリッドレイアウト、マルチカラムレイアウトなど、新しいレイアウト手段が導入されました。
視覚化モジュール
透過・不透明度、回転・拡大縮小、影、マスク、フィルターなどのビジュアルスタイリング機能が追加されています。
その他の新機能
カラーモジュール、セレクタ、アニメーション、トランジション、フォントなどの機能が拡張されています。
CSS次期仕様(Houdini/Cascade Layers)
最新のCSS仕様では、ブラウザのレンダリングエンジンにタッチできる新機能が提案されています。
- Houdini – JavaScriptから直接スタイルを操作できるようにする機能
- Cascade Layers – CSSの適用順を制御できる機能
このように、HTML/CSSの仕様は年々進化を続けています。構造化・セマンティックス、ビジュアルスタイル、レイアウト、JavaScriptとの連携など、様々な側面で機能が拡張されてきました。最新のHTML・CSS仕様を確認し、Webの発展に寄与する新機能を積極的に取り入れていくことが重要です。
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